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2016年6月29日水曜日

あの時のこと。1月18日。救急クリニックにて。




2016年1月18日、月曜日。




この日から、私たちの人生は様変わりした。


一瞬一瞬についていくのに必死だった。





救急外来の駐車場に着いた。


てっちゃんの腕を抱えながら、歩いて建物の中に入り、受付を済ませた。

Sさんから、大学病院の救急に行くより待ち時間も短いはずだからと言われていたが、

私たちの前に3人いると言われ、椅子に座って待つように指示された。


少し焦った様子を感じたのか、



「先生は二人いるから、うまくいけばそんなに時間はかからないと思うわ」



と教えてくれた。



病院に着いた安心感もあったのか、辛くなってきていたのか、

てっちゃんの口数は減ってきていた。一つ言っていたのは、



「気胸とかそう言う感じじゃないかな。外科的にさっさと診ちゃってほしいんだけど。」



ということだった。



てっちゃんの方が冷静だったのかもしれない。

その時点で、私にできることは、

てっちゃんの手を握って、ゆっくりしっかり呼吸するように促すことしかなかった。



30分ぐらい待たされたと思う。



名前を呼ばれ診察室に入ると、

てっちゃんは、診察室内にあった簡易ベッドに倒れこむように横になった。




正直私はビックリした。



てっちゃんがしんどそうだった。



1分前までのてっちゃんは、本当は相当耐えていたんだと、

その時のてっちゃんを見て私は改めて気づいた。




すぐに、看護師さんが血圧と血中酸素濃度を計りはじめてくれたので、

その間に、ここ数日の状況を必死に説明した。

そして、もう一つの衝撃が目に入った。





酸素飽和度……82%。。。。





えっ、ウソでしょ。





そう思った。



血圧もとれない。。。




低すぎるんだ。




経験があるというには少なすぎる経験だったけど、

でも働いていた頃に担当になった呼吸器の患者さんでも、

そこまで落ちることはなかったし、

(もちろんそこまで落とさないように管理はしているのだけど)

正直、さっきまでのてっちゃんを見ていて、そんなにも状態が悪いと全く思えていなかった。




私たちの想像以上のことが、てっちゃんの身体に起こっているということを


私はその瞬間に突き付けられた。




すぐに看護師さんが、規模の大きい病院への救急搬送の指示を出してくれ、

救急隊もかけつけてくれた。


一瞬の間に、状況が一変して、緊急事態にのまれ、私は一気に慌て、動転していた。




てっちゃんが働く大学病院(A病院)のすぐ隣にある、

もう一つの大きな病院(B病院)に行くのがいいのではと看護師さんに言われ、

私は言われるがままに指示に従うしかなかった。




「救急車に君は乗れないから、車で救急車についてくるか、病院で合流できるか?」




と救急隊員に言われ、指示に従った。


てっちゃんは、やっぱり横になっているのは苦しかったようで、身体を起こしていた。




「大丈夫だからね!!次の病院でちゃんと待ってるから。」



それだけ伝えて外に出ると、救急隊員から、




「B病院に行くよりC病院の方が近いけど、どうするか?

とりあえず一旦C病院に行って、状況をしっかり把握した方がいいかもしれない。」





そう言われた。




「C病院でいい。とにかく急ぎたいから。私は自分の車で救急車についていく。

でも病院の場所はわかるからはぐれても大丈夫。」



と返事をした。



てっちゃんのカバンと持っていた水分だけを抱え、自分の車に急いだ。



かなり気持ちが慌てはじめているのに気が付いて、大きく深呼吸をしたが、

車を出したときには、さっき「後ろをついていく」と救急隊員に言ったことが

すでに頭から飛んでいて、



“とにかく次の病院に急いで、てっちゃんが着いた時にいてあげなきゃ。”




と救急車がまだ発車準備をしているのを横目に、先にクリニックを出発していた。




朝電話をしたSさんの奥さんに電話をして、状況を話した。

S先生をC病院に行かせるようにする、と言ってくれたので、ひとまず電話を切った。




C病院までは救急のクリニックから車で5分ほどのところだった。

C病院のすぐ近くまで来て、自分が救急車より早く出てきてしまったことを思い出し、

救急車にも追い越されていないことに気づいた。



よく考えれば、救急車がわざわざ私の居場所を気にすることなんかないはずなのに、なぜか、



“私が後ろにつくのを待っていたらどうしよう。てっちゃんの治療が遅れる”



と思った私はクリニックに戻っていた。

結局、もちろん、救急車はすでに出ていて、もう一度C病院に着いた頃には、

てっちゃんはもう救急外来内の病室に運び込まれていた。


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